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制度・お金

空き家は相続放棄できるか

できる。ただし全財産まとめて・3か月以内・住んでいたなら義務が残る。

価値のない空き家を引き継ぎたくないとき、相続放棄は確かに選択肢です。ただし放棄には「空き家だけを選んで手放すことはできない」「期限は3か月」「住んでいた人には義務が残る」という3つの基本ルールがあります。そして見落とされがちなのが、放棄はプラスの財産も全部手放すということ。先に空き家の値段を確かめてから決めても、遅くはありません。

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相続放棄の基本ルール
空き家と相続放棄の基本(制度の事実)
項目ルール根拠
期限相続開始を知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申述民法915条
範囲全財産が対象。空き家だけを選んで放棄はできない民法
管理義務放棄時に「現に占有」していた人のみ、引き渡しまで保存義務改正民法940条(2023年4月施行)
全員が放棄したら相続財産清算人の選任申立て(予納金が必要)を経て国庫へ民法952条

出典: 民法915条(3か月の熟慮期間)・改正民法940条(2023年4月1日施行)/裁判所 相続の放棄の申述。個別の判断は弁護士・司法書士にご確認ください。

2023年改正で変わった管理義務

「現に占有」していなければ、管理義務は負わない

2023年4月施行の改正民法940条で、放棄後に保存義務を負うのは放棄の時にその財産を「現に占有」していた人だけと明確になりました。実家を離れて暮らしていた子が放棄する場合、原則としてその空き家の管理義務は負いません。逆に同居していた場合は、他の相続人や相続財産清算人に引き渡すまで自己の財産と同一の注意で保存する義務が続きます。

つまり「放棄すれば即・無関係」ではない場合があります。全員が放棄する見込みなら、清算人選任の予納金(数十万円規模になる例が知られています)まで含めて、放棄の総コストを見積もるのが実務です。

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放棄と売却、どちらが得か

判断軸は「値段が付くかどうか」

放棄は相続財産すべてを手放す手続きです。預貯金など他の財産があるなら、空き家が嫌だという理由だけで放棄すると失うものの方が大きくなり得ます。買取なら値段が付く空き家は珍しくありません——再建築不可や傾きがあっても買い取る専門業者の市場があるからです(訳あり物件の買取)。

手順としては、①まず無料査定で「いくらで手放せるか」の実数を取る、②値段が付くなら相続して売却(税金の特例が使える場合もあります)、③どうにもならない場合に放棄・国庫帰属(農地・山林の手放し方)を検討する——の順が、失うものを最小にする並べ方です。

3か月の期限は「知った時」から。迷っている間に過ぎるのが一番もったいない。査定は無料で数日、放棄の判断材料として先に数字を取るのが合理的です。

放棄を決める前に、値段だけ見ませんか。

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よくある質問

空き家だけを相続放棄できますか?

できません。相続放棄は全財産が対象で、預貯金や他の不動産も含めてすべて手放すことになります。空き家だけを外したい場合は、相続したうえで売却・買取・国庫帰属などの出口を使うのが現実的です。

相続放棄したら空き家の管理義務はなくなりますか?

2023年4月施行の改正民法940条により、放棄の時に「現に占有」していた人だけが、引き渡しまでの保存義務を負います。離れて暮らしていた場合は原則として管理義務を負いません。同居していた場合は、他の相続人か相続財産清算人に引き渡すまで義務が続きます。

期限の3か月を過ぎたらどうなりますか?

原則として単純承認(相続を受け入れた扱い)になります。期限は「自己のために相続の開始があったことを知った時」から3か月で、家庭裁判所への申述が必要です。事情がある場合の期間伸長の申立てなど、個別の対応は弁護士・司法書士に相談してください。

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