賃貸併用住宅は住宅ローンで建てられるか
鍵は「自宅部分の床面積」。条件を知ってから計画すると速い。
賃貸併用住宅の最大の魅力は、家賃収入のある建物を住宅ローンで建てられる可能性があることです。ただし無条件ではありません。多くの金融機関が「自宅部分の床面積が全体の2分の1以上」を目安にしており、この線を越えるかどうかで使えるローンが変わります。このページでは、民間ローン・フラット35・住宅ローン控除の3つの基本を、公的情報に基づいて整理します。
ローンと控除、3つの基本
| 項目 | 基本ルール | 根拠・確認先 |
|---|---|---|
| 民間の住宅ローン | 自宅部分が床面積の2分の1以上を条件とする金融機関が多いとされる | 適用可否・金利は各行の審査による |
| フラット35(併用住宅) | 住宅部分の床面積が非住宅部分以上。非住宅部分の建設費は借入対象外 | 住宅金融支援機構。賃貸部分を含む扱いは取扱金融機関に要確認 |
| 住宅ローン控除 | 床面積50㎡以上・2分の1以上が自己居住用。控除は居住用部分のみ(按分) | 国税庁 タックスアンサー No.1211系 |
出典: 国税庁タックスアンサー・質疑応答事例(床面積の判定/店舗併用住宅)、住宅金融支援機構【フラット35】ご利用条件(2026年7月閲覧)。個別の適用は金融機関・税務署・税理士にご確認ください。
民間ローン:自宅2分の1以上が出発点
賃貸併用住宅で住宅ローンを使う王道は、自宅部分の床面積を全体の2分の1以上に設計することです。この比率を条件に住宅ローンを認める金融機関が多いとされ、逆にこの線を割ると、金利水準の異なるアパートローン(事業用ローン)の領域になります。同じ延床でも「自宅50%+賃貸50%」と「自宅40%+賃貸60%」では入口が変わる——設計段階からローンを意識するのが、賃貸併用住宅の計画の要です。
フラット35:住宅部分≧非住宅部分
フラット35の併用住宅ルールは「住宅部分の床面積が非住宅部分の床面積以上」で、店舗・事務所など非住宅部分の建設費は借入対象になりません。賃貸住戸を含む場合の取り扱いは商品・時期により異なるため、取扱金融機関または住宅金融支援機構への確認が必要です。
住宅ローン控除:居住部分だけを按分
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、床面積50㎡以上・2分の1以上が自分の居住用であることが要件です。併用住宅では建物全体ではなく居住用部分の割合を掛けた金額が控除対象になります。たとえば自宅60%・賃貸40%なら、借入金のうち居住部分に対応する分だけが控除計算に入ります(国税庁タックスアンサー)。賃貸部分は住宅ローン控除の対象外ですが、賃貸経営の必要経費・減価償却という別の税務の枠組みがあり、こちらは確定申告で扱います。
進め方(3ステップ)
- 複数社から間取り・資金計画のプランを無料で取り寄せる
- 自宅比率(2分の1以上か)ごとのローン選択肢を金融機関に確認する
- 控除・税務の個別判断は税理士・税務署で確定させる
賃貸併用住宅を深く知る
よくある質問
自宅部分が2分の1未満だと住宅ローンは使えませんか?
多くの金融機関は自宅部分2分の1以上を目安にしているとされますが、商品設計は各行で異なります。2分の1未満の場合はアパートローン等の事業用融資が中心になります。まず自宅比率を決め、その比率で使える選択肢を金融機関に確認してください。
住宅ローン控除は家賃収入があっても受けられますか?
受けられます。ただし対象は自己の居住用部分のみで、床面積50㎡以上・2分の1以上が居住用という要件があります(国税庁)。賃貸部分の収入は不動産所得として確定申告し、必要経費・減価償却は別の枠組みで処理します。
フラット35は賃貸併用住宅で使えますか?
フラット35の併用住宅ルールでは、住宅部分の床面積が非住宅部分以上であることが条件で、非住宅部分の費用は借入対象外です。賃貸住戸を含むプランでの可否は商品・金融機関により扱いが異なるため、取扱金融機関に直接確認するのが確実です。